ITエンジニアにおける英語/英語力はボキャブラリーサイズ

現代のIT業界では、英語は単なるスキルではなく「武器」としての重要性を持ちます。この記事では、ITエンジニアがどのように英語を学び、活用するべきかを考察します。

1. IT用語は英語でそのまま覚えよう

IT業界では、専門用語の多くが英語で成り立っています。例えば、「availability(可用性)」や「scalability(拡張性)」といった用語を無理に翻訳すると、逆に混乱を招くことがあります。英語のまま覚えることで、原義をより正確に理解でき、国際的なドキュメントやチームとのやり取りでもスムーズに対応可能になります。

TIP:

  • 普段から英語の公式ドキュメントを読む癖をつける
    (例:AWS、Microsoft、Google Cloudなどの公式ガイド)

2. 「受験英語」からの脱却

「受験英語が役に立つ」との声もありますが、下線部の訳や単語の暗記は英語学習の本質に触れることができません。テストの点が目標になれば英語理解の本質から外れ、点数マウンティングという虚栄心の奴隷になります。大切なのは、英語を通じて知識や情報を得る「喜び」を知ることです。テスト勉強とこの「喜び」は対極の位置関係です。受験英語で映画がわかるようになりますか。TOEICができるようになるでしょうか。それぞれ別の分野のものなのでいくら受験英語ができてもできるようになりません。これはTOEICでも同じです。テスト英語全般は「実践」において無駄な努力となります。英語でやりたい仕事をイメージしてそれに必要なリソースで勉強しましょう。

英語力は突き詰めればボキャブラリーサイズです。サイズが上がっていれば、英語力は向上しています。適切なタイミングでサイズを測り、語学力が向上しているか確かめましょう。

3. 英語学習の第一歩は「発音」から

意外に思われるかもしれませんが、発音を軽視してはいけません。正しい発音ができると、リスニング能力が飛躍的に向上します。聞く・話すのスキルが向上すると、実践的な場面での学習効率が飛躍的に上がります。東南アジアの英語話者と話すと必ず訛の強い英語で出くわします。その時翻って自分の発音について考えてください。同じぐらいひどい発音の英語を話していると思って間違いないです。

おすすめの方法:

  • サイレント音読: 音読すると疲れるため、声には出さないが口はしっかりと動かします。特に頬を使って筋トレする気持ちでやるぐらいでないと英語を話しているとは言えません。
  • 発音矯正: 学習素材を発音記号に変換して読みます。正しい発音はダイナミックな口の動きから発せられます。

4. 英語学習は「リーディング」と「ボキャブラリー」を柱に

ITエンジニアが目指すべき英語力は、TOEICの点数ではなく「ボキャブラリーサイズの拡大」です。英語には映画、ビジネス、日常会話など様々な場面で異なる表現が存在します。自分が必要とする場面に適した英語を重点的に学びましょう。

  • リーディング: 対訳本や哲学的な英語書籍に挑戦し、知的好奇心を刺激します。読書量を増やすには小説などが適材です。また、英語文化そのものを学ぶことができ、どのような考え方がスタンダードなのかを掴むようにしてください。
  • ボキャブラリー: 英単語の日本語の当てはめは単なる最初の一歩です。その後は良い文章で他の単語と関連付けて覚えます。日本の単語帳の例文は無味乾燥なものが多いので、使っていけません。ただ、稀にこなれた例文を載せているものもあります。基本的にはネイティブが使う単語帳帳を使いましょう。例文自体が難しく、単語の勉強と英語の勉強両方同時にできます。ネイティブといっても年齢にあわせたレベルの単語帳があるので、ご自分のレベルに合うものを選ぶとよいです。特に挿絵がついているものは覚えるのに有効です。

5. 英語力がもたらす「武器」としての価値

IT業界で英語ができると得られるメリットは非常に多いです。

  • 専門性の向上: 英語ドキュメントにアクセスできるため、知識が深まり、理解が早くなる。
  • グローバルな視点: ERPなどの外国製ソフトウェアに精通し、最新技術をキャッチアップ可能。
  • オフショアチームの管理:海外の開発チームとの連携がスムーズに。
  • 単価が上がります:英語での業務遂行の場合、単価プラス50万は相場です。

一方で、英語力がないと「教科書がない状態」と同じです。特定の開発プロセスしか理解できず、スタンダードな知識を欠くことになります。これでは、新しい提案や柔軟な対応が困難になります。

ERPだと、公式のリソースでは理解に苦しむ場面も多々存在します。こういった部分はネイティブのブロガーがわかりやす端的にまとめてくれていたりするので、積極的に活用して知識の拡充に努めます。知識だけではなく、実際の業務だと海外支社へのERP導入という場面は多々あり、その場合英語での業務は必須です。基本的には高単価の案件となっています。

まとめ

ITエンジニアにとって、英語は単なるツールではなくキャリアを支える「基盤」です。無味乾燥な「受験英語」にとらわれず、自分の興味を刺激しながら、実践的なスキルを磨きましょう。ボキャブラリーを増やし、場面に応じた英語力を育てることで、世界を相手に活躍できるエンジニアを目指しましょう!


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