Odooの**Fiscal Position(財務ポジション)**は、国や地域・取引先によって異なる税規則や会計ルールを自動的に切り替えるための仕組みです。内容が抽象的に聞こえることもあるので、実例を交えながら説明します。
✅ Fiscal Positionとは?
🎯 目的:
顧客・ベンダー・地域に応じて、標準の税や勘定科目の適用方法を切り替える仕組み
- 税(Tax)の置き換え
- 勘定科目(Account)の置き換え
🔧 Fiscal Positionが必要になる場面(例)
例 1:国内の標準税 → 海外顧客には免税
- 日本国内顧客:消費税(10%)を請求
- 海外顧客(例えばアメリカ):輸出取引として消費税ゼロ(免税)
- → Fiscal Positionを使って、消費税10% → 税ゼロ(0%)税率へ自動置換
例 2:仕入先によって異なる経理処理
- 国内仕入:原材料は「600100 仕入原価」で処理
- 海外仕入:同じ商品でも「600200 輸入仕入」として扱いたい
- → Fiscal Positionで勘定科目のマッピングを設定(Productの仕入アカウントを置き換える)
例 3:軽減税率
- 通常食品:8%の軽減税率
- 加工食品:10%の標準税率
- → Fiscal Positionで「製品カテゴリごとの税の置き換えルール」を設定して自動反映
⚙️ 設定項目(Fiscal Position画面)
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 名称 | 例:「海外顧客向け免税」など |
| 税マッピング | 例:10%消費税 → 0%免税税 |
| 勘定マッピング | 特定勘定科目の置換ルール |
| 自動適用ルール | 国・州・パートナータグに応じて自動適用 |
✅ どこで使われるのか?
- 顧客・ベンダーのマスタに直接設定
- 見積・注文書・請求書を作成すると自動で切り替わる
- 税と勘定科目の両方に影響を与える
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