D365環境統合

会社を買収して子会社にした場合など、Dynamicsの環境を親会社に統合する大まかな流れと方法を記載します。

✅ 前提として知っておくべきこと

右上の会社を選択するメニューボタンから切り替わること

  • トランザクションデータ
  • マスタは会社間でシェア
  • Company切り替えによりトランザクションの可視範囲が自動で切り替わる

法人(Company)が切り替わる仕組み

会社ごとに識別されるのは、いくつかのテーブルのフィールドにあるDataAreaIdと呼ばれるフィールドである。下記のテーブルはDataAreaIdを保持している。

テーブル名説明備考
CustTable顧客マスタ
顧客そのものは GAB(共通)に登録され、会社ごとに CustTable に登録される
VendTable仕入先マスタ会社ごとに異なる支払条件や会計設定がある
InventTable
品目(製品)マスタ
実体は共通だが、会社ごとに設定差異がある場合は、サブテーブルで分かれる
HcmWorker従業員マスタ共通登録だが、DirPersonHcmEmployment で会社ごとの雇用情報を持つ
BankAccountTable銀行口座会社単位の取引口座として運用される
Ledger会計台帳会社固有の勘定体系を持つ
MainAccount勘定科目マスタShared だが、会社ごとに Account structure に割り当てられる

一方でCompanyIdを持っていそうで持っていないテーブルはこのようなテーブル

テーブル名説明
OMOperatingUnit組織単位(部門、コストセンターなど)
DirPartyTable
パーティ(顧客・仕入先などの共通情報)
UnitOfMeasure
単位(個、箱、kgなど)

切り分けのキーになる組織ユニット

各会社と部門は組織階層を持つため、組織ユニットモジュールを使うことは必須。

✅ OrgUnit が連携している主要機能

機能カテゴリ説明
組織との関係性
Financial Dimension(財務ディメンション)勘定仕訳に付与する「部門」「営業所」などの分析軸各 OrgUnit(部門・営業所など)は ディメンション値として登録される
セキュリティ(ロールとアクセス制御)ユーザーがどの会社・部門のデータにアクセスできるか制御OrgUnit によってアクセス範囲を 組織単位で限定可能
ワークフロー(承認経路)組織構造に基づいた承認ルート設定承認階層を 組織階層ベースで構築可能(例:「部門の上長に承認を回す」)

セキュリティ(アクセス制御)との関係

  • セキュリティロールに 「組織の割り当て」 を設定することで、
    • 「このロールを持つ人は部門Aのデータだけ見られる」
    • 「部門Bのデータは編集不可」
      などが可能になります。
  • 組織階層を使って複数部門を束ね、ロールに一括割り当ても可能。


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