Odoo MRP(製造管理)における Lead Times(リードタイム) は、サプライチェーンや製造プロセスの各ステップにおける所要時間を管理するための重要な概念です。適切に設定することで、正確な納期予測や自動スケジューリングが可能になります。
※必要なデータが多く全体を細かいところまで確認できず。大まかな流れの参考として。
🔧 主なリードタイムの種類と設定場所
1. Customer Lead Time(顧客リードタイム)
- 設定場所:製品マスタ > [販売]タブ
- 意味:顧客が注文してから納品されるまでの日数(販売リードタイム)
- 用途:販売注文の「予定納期(Expected Date)」を自動計算
2. Vendor Lead Time(仕入先リードタイム)
- 設定場所:製品マスタ > [購入]タブ > 仕入先情報に入力
- 意味:仕入先に発注してから自社に届くまでの日数
- 用途:自動購買や補充ルールにおける納期管理
3. Manufacturing Lead Time(製造リードタイム)
- 設定場所:製品マスタ > [製造]タブ
- 意味:製品を作るのにかかる標準的な日数
- 用途:製造オーダー(MO)のスケジューリングに使用
4. Component Lead Time(部品のリードタイム)
- 設定場所:構成品(BOM)の各製品の仕入先情報
- 意味:部品調達の所要日数
- 用途:製造前の部品準備時間として使用
📅 リードタイムの働き:例(机の製造)
- 机の製造リードタイム:3日
- 天板と足の仕入リードタイム:各5日
- 顧客への販売リードタイム:2日
この場合、Odooは逆算して、
- 顧客納品希望日 = 6月30日 → 6月25日に製造を開始 → 6月20日までに部品発注といったスケジュールを自動的に構築します。
✅ まとめ
| リードタイムの種類 | 役割 |
|---|---|
| 顧客リードタイム | 注文から納品まで |
| 仕入先リードタイム | 発注から入荷まで |
| 製造リードタイム | 製造の標準所要時間 |
| 部品リードタイム | 製造部材の準備所要時間 |
| 安全リードタイム | リスク回避のためのバッファ日数 |
製造リードタイム(Manufacturing Lead Time) を設定
✅ 目的
販売注文に対して、製造リードタイムを加味して、製造オーダー(MO)を計画的に開始・納品できるようにする。
🔧 ステップごとの設定方法
① 製品に Manufacturing Lead Time を設定する
- [製造対象製品] を開く
- [在庫管理] タブに移動
- **「製造リードタイム」**欄に日数を入力(表示なし、動画ではあり)
- 例:
3日とすると、MOは出荷予定日の 3 日前に計画されます
- 例:
② Reordering Rules(再発注ルール)を 0/0 で設定する
- 製品マスタ > 再発注ルール(Reordering Rules)を作成(上部タブの「さらに表示」)
- 最小数量:
0 - 最大数量:
0 - 製造方法:
製造(Manufacture)を選択
- 最小数量:
- これにより、販売注文が入った時点で 手配が不足していれば自動的にMOが作成される。
③ 部品のリードタイム設定と「利用可能性」表示
この情報に基づき、製造オーダーの開始日が計算されます
各構成部品を製品マスタ(プロダクト)として登録
部品表概要の部品のそれぞれをプロダクトとして設定する
各部品の「購買」タブを開き、仕入先と配送リードタイムを設定
フィールド:「仕入先」「配送リードタイム(Delivery Lead Time)」
部品表(BOM)で構成部品としてこれらのプロダクトを設定
部品表画面右上の「予測」トグルをONにする
ONにしないと「利用可能性(Availability)」などの予測関連フィールドが非表示のままです
「利用可能性」列に、各部品がいつ利用可能になるかが表示される
④ 販売フローで「予定日(Scheduled Date)」を設定
- 販売注文を作成
- 顧客希望納期(Scheduled Date)を入力
- Odooは:
- 予定納期 = 顧客希望納期
- 製造開始日 = 予定納期 – 製造リードタイム – 準備日数
🧠 補足:設定関係のまとめ
| 設定箇所 | 役割 |
|---|---|
| 製造リードタイム | 製造に必要な所要日数を設定 |
| Reordering Rules | 自動製造のトリガー |
| Days to prepare MO | MO作成のバッファ日数(準備期間) |
| Scheduled Date | 顧客が希望する納品予定日(販売注文側) |
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