Odoo Accounting②

📘 OdooにおけるChart of Accounts(勘定科目表)の管理方法


✅ 1. 勘定科目表の基本構成

Odooでは account.account モデルが勘定科目の定義を担い、account.account.template がそのテンプレートです。各勘定科目には以下のような属性があります:

フィールド名内容
Code(コード)勘定科目の番号(例:100000)
Name(名称)勘定科目名(例:現金、売上高)
Account Type財務レポート上の位置を決める分類(例:Income, Expenses)
Deprecated(非推奨)アクティブでない勘定科目として無効化できる
Company所属会社(マルチカンパニー対応)

✅ 2. BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)との関係

Odooの勘定科目は、PLかBSかAccount Type により自動的に分類されます。

📊 代表的な分類(Account Type)

Account Type表示対象説明
IncomePL売上高などの収益科目
ExpensesPL原価や一般費用など
Cost of RevenuePL売上原価(例:仕入)
Current AssetsBS現金、預金、売掛金など
Non-current AssetsBS固定資産
Payable / ReceivableBS買掛金/売掛金
EquityBS資本金や留保利益

→ この Account Type に応じて、BS/PLレポートに分類表示されます


✅ 3. 勘定科目表(Chart of Accounts)は会社単位で1つ

  • Odooは マルチカンパニー構成が可能ですが、各会社に対して1つのChart of Accounts を割り当てます。
  • account.accountcompany_id フィールドで会社が明示されており、他社の勘定科目は表示・使用できません。
  • 複数会社で共通テンプレートを使いたい場合は、account.chart.template を基に複数会社に展開するのが一般的です。

✅ 4. Deprecated(非推奨・アーカイブ)について

🔸 Deprecated はOdooにおけるアーカイブ機能です。

  • True にするとその勘定科目は新たな仕訳で使用不可になります。
  • 過去の仕訳に含まれていても、影響はありません(過去データの保持に影響なし)。
  • 典型的な用途:
    • 使わなくなった古い科目を整理
    • マスターの冗長化防止
    • 一時的な使用停止(将来復活も可能)

✅ 5. 関連設定(設定メニュー)

Odoo会計メニューで以下のように管理します:

メニュー説明
会計 > 設定 > 勘定科目会社ごとの勘定科目管理
会計 > 設定 > 勘定科目テンプレート新会社作成時に使うテンプレートの管理
会計 > 設定 > 会計 > 勘定科目構成レポート構成のテンプレート(PL・BS定義)

✅ 6. 注意点(導入・運用)

  • 日本の会計要件にあった勘定科目構成は、テンプレートとしてあらかじめカスタマイズすることが推奨されます。
  • 税務申告や分析目的で勘定科目を詳細に分類する場合は、Account Group(勘定グループ)や分析勘定と併用することで管理性が高まります。

🔚 補足

勘定科目の「タイプ(Account Type)」によってBS/PLが形成され、Chart of Accountsは各会社に固有です。Deprecatedはアーカイブであり、**「使えなくするが削除はしない」**安全な手段として運用されます。


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