✅ Odooの請求書作成の流れ(販売)
1. 製品の選択
請求書上で明細(Invoice Line)に「製品(Product)」を選択します。
- 製品に事前に設定された会計情報や税率が自動で反映されます。
- 製品に販売価格や単位なども設定しておくと、入力が省略できます。
2. 明細(Invoice Line)の自動生成
選択された製品に基づき、以下の内容が明細に反映されます:
- 数量
- 単価
- 税(Tax)
- 勘定科目(Account) ← これが後述の仕組みによって決まります
3. 請求書全体の完成
ヘッダー情報(取引先、請求日、支払条件など)を入力し、請求書が完成。
- ドラフト状態 → 承認 → 発行(ステータスが変化)
- 承認後は仕訳が自動で生成されます(
account.move)
🧩 勘定科目(Account)の決定ロジック
請求書の各明細(Invoice Line)で「売上勘定(収益)」がどこから取得されるかは以下の優先順位によって決まります。
勘定科目の決定順:
invoice_line.account_id
↓(指定がない場合)
product.income_account_id
↓(指定がない場合)
product.category.income_account_id
↓(指定がない場合)
sales journal.default_account_id
具体的に:
| 優先度 | 参照先 | 説明 |
|---|---|---|
| ① | 明細行で手動指定した科目 | 最優先。ユーザーが直接入力した場合。 |
| ② | 製品マスタの収益科目 | product.templateに設定。 |
| ③ | 製品カテゴリの収益科目 | 製品が属するカテゴリに設定。カテゴリで一括管理したい場合に便利。 |
| ④ | 販売仕訳帳(Sales Journal) | 上記で決まらなかった場合の最後の手段。 |
例:製品に「売上高(400000)」を設定していれば、請求書明細のaccountには自動でこの勘定科目が入ります。
💡 「異なるアカウントセット」とは?
これは、「同じ請求書でも明細ごとに異なる製品が指定され、それぞれが異なる収益勘定に紐づいている」ことを意味しています。
たとえば:
- 明細1:焼肉のタレ(食品)→ 売上高(400000)
- 明細2:調理器具(備品販売)→ 備品売上(410000)
→ 同じ請求書でも、勘定科目が明細ごとに異なる。これはProductやCategoryに個別設定できるためです。
🔁 実務での設定のコツ
| 対象 | 設定場所 | 推奨設定例 |
|---|---|---|
| 製品カテゴリ | 商品の種類別に収益/費用科目を設定 | 食品販売は「売上高」、雑貨は「雑貨売上」など |
| 製品 | 商品単位で設定が必要な場合のみ | 特殊な売上、仕入に対応する場合 |
| 販売仕訳帳 | デフォルトで使われる最低限の設定 | 通常は触らない |
製品選択 → 請求書作成 → 仕訳生成の流れ
- 製品を選択すると、請求書明細(Invoice Line)が自動生成される
- 勘定科目の優先順位:
- 明細(Invoice Line)で手動指定された科目
- 製品(Product)に設定された収益科目
- 製品カテゴリ(Product Category)に設定された収益科目
- 販売仕訳帳(Sales Journal)に設定されたデフォルト勘定科目
- 請求書がドラフトで作成される
- 請求書を承認すると、自動的に仕訳が作成される
- 総勘定元帳やレポートに反映される
✅ クレジットノートで請求書を修正する方法(Odoo)
1. クレジットノートの用途
- 請求書のキャンセル(全額返金)
- 一部修正(部分返金)
- 請求書の差し替え(キャンセルして新たに正しい請求書を作成)
🔁 フロー(基本手順)
ステップ 1:請求書画面を開く
[会計] > [顧客] > [請求書]から対象の 発行済み(送信済み・登録済み) 請求書を選択。
ステップ 2:アクションから「クレジットノートを追加」
- 上部の「アクション」ボタン →
クレジットノートを追加を選択。
ステップ 3:クレジットノートのタイプを選択
| タイプ | 説明 |
|---|---|
| キャンセル | 元の請求書を無効にし、全額を返金 |
| 修正 | 一部の金額のみをクレジットにする |
| 差し替え | 元の請求書をキャンセルし、新たに請求書を作成 |
- 日付や差額、理由などを入力。
- 必要に応じて明細を修正。
ステップ 4:クレジットノートを確認・投稿(Post)
- 入力内容を確認し、「投稿(Post)」をクリック。
ステップ 5(差し替えの場合):新しい請求書の作成
- 差し替えの場合は、Odooが自動で新しい請求書を下書き状態で生成。
- 内容を確認・調整し、発行。
🧠 補足:仕訳と会計処理の背景
- クレジットノートは 請求書と逆仕訳 を作成します(借方/貸方の逆転)。
- 元請求書とペアで 相殺・クリア され、実際の売掛金や収益を調整。
💡 注意点
- 「仕訳のみで修正」するのではなく、「請求書のクレジットノート」機能を使うのがベストプラクティス。
- 一度「請求書を投稿」すると直接修正できません。必ずクレジットノートを利用。
- 消費税計上、会計年度、収益認識に影響するため、適切な期日と理由を記載すること。
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