Odoo 会計 前払費用

✅ 全体のフロー:前払費用の処理(Deferred Entries)

  1. 仕入先請求書の登録と検証
    • プロダクトに費用認識テンプレートが設定されている
    • 開始日/終了日が入力されている
    • → 「Deferred Entries」ボタンが表示
  2. 📥 Deferred Entries ボタンをクリック
    • **繰延費用スケジュール(ドラフト仕訳の一覧)**が自動作成される
    • 通常は「account.asset.asset」モデルで、費用の分割認識スケジュール(アセットのような形)として作られる
  3. ⏳ スケジュール確認(期間ごと)
    • 月単位などで「ドラフト仕訳」が予定として作成される
    • スケジュールは自動か、バッチ処理(定期ジョブ)で「検証」されて仕訳帳に反映
  4. 🧾 各月の費用が計上される
    • 例:12ヶ月に分けて月ごとに費用が Debit: 121000(流動資産)→ Debit: 510000(費用) に移行される
    • 通常「その他処理(MISC)」仕訳帳に登録
  5. 🪙 支払い処理(Register Payment)
    • 会計的には「前払費用」として資産計上した上で支払い
    • Bank → Prepaid Expense の仕訳が発生
flowchart TD
    A[仕入先請求書 作成 & 検証] --> B{費用認識テンプレート?}
    B -- Yes --> C[Deferred Entries ボタン出現]
    C --> D[費用スケジュール 作成(ドラフト)]
    D --> E[定期的に仕訳を生成]
    E --> F[費用認識仕訳 登録]
    A --> G[Register Payment(支払処理)]
    G --> H[支払仕訳 & 消込]

例:仕訳の具体例

支払時

借方:121000(前払費用)
貸方:123900(銀行仮勘定)

月次仕訳(費用認識)

コピーする編集する借方:510000(費用)
貸方:121000(前払費用)

📌 補足

  • 繰延資産(前払費用)は資産として一時的に保有され、費用化は時間経過で行われます。
  • 定期バッチでドラフトが自動検証される設定も可能です(ir.cron)。

Deferred Entries(繰延仕訳)」の画面に表示されるアクション(消込取消・仕訳する・期間を変更・資産を作成)について、以下にそれぞれの意味・使うタイミング・起動条件をまとめます。


✅ 各アクションの意味と条件

アクション名意味・機能起動条件いつ使うか
仕訳する (Post Entries)スケジュールに基づくドラフト仕訳を検証して、正式な仕訳にするステータスが「未投稿(Draft)」である手動で費用を今月分だけ認識したいとき
消込取消 (Unreconcile)既に支払と消込された請求書を未消込に戻す支払いと紐づいている仕訳がある場合繰延仕訳を再構成したいとき、消込をやり直すとき
期間を変更 (Modify Schedule)スケジュール(開始日、期間、頻度)を変更ステータスが「未投稿」または一部だけ投稿済み予定と異なる分割期間にしたい場合
資産を作成 (Create Asset)スケジュールベースではなく、固定資産(account.asset)として登録プロダクトに「資産テンプレート」が設定されている一括償却などではなく、減価償却を行いたいとき

使い分けの実務的な例

● 通常の前払費用(例:保険料や家賃)

  • → 「仕訳する」や「スケジュールで自動仕訳」が中心

● 支払済みだが認識は不要

  • → 「消込取消」で一旦請求と支払を分離 → スケジュール見直し

● 6ヶ月予定を12ヶ月に変更

  • → 「期間を変更」でスケジュール調整

● 固定資産になるPC購入など

  • → 「資産を作成」で account.asset.asset モデルを作成し、減価償却開始


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