「ロック日(Lock Dates)」の設定は、会計データの確定後に過去データの誤修正や改ざんを防ぐための仕組みです。これは日本の会計における「締め処理」と同じ意味合いを持ちます。
🔐 ロック日の意味と種類
📍 設定場所
会計 → 設定 → ロック日の設定
📘 主なロック項目とその意味
| 項目 | 説明 | 影響するユーザー |
|---|---|---|
| 販売をロック (Lock Posted Entries for Sales) | 売上に関する仕訳(顧客請求書など)をロックする | 一般ユーザー |
| 購買をロック (Lock Posted Entries for Purchases) | 仕入に関する仕訳(仕入請求書など)をロックする | 一般ユーザー |
| 税務申告をロック (Tax Lock Date) | 税関連の仕訳(消費税・VATなど)をロックする | 会計士・税理士など上位権限ユーザーも対象 |
| すべてをロック (Lock all posted entries) | 上記すべての仕訳をロック。販売・購買・税務に加えて、その他の全仕訳も対象 | 管理者・会計アドバイザー含む全ユーザー |
🗓️ ロック日の運用例
| 会計処理 | ロック日を設定するタイミング | 理由 |
|---|---|---|
| 月次締め | 毎月の末日後(例:月初5日) | 月次決算後、誤って修正されるのを防ぐ |
| 年次締め | 決算確定後(税理士確認後) | 年度のデータを確定させるため |
⚠️ 注意点
- ロック日以前の仕訳は編集・削除できなくなります(ドラフト状態の仕訳は対象外)。
- 「税務申告をロック」は 消費税/VATの修正を防ぐ重要な処理 で、ロック後は税レポートや帳票の整合性を保てます。
- 上位権限を持つユーザーでも「すべてをロック」後は仕訳編集できません。
Odooでは決算書の作成自体は自動的にレポートとして出力されますが、決算に伴う仕訳(期末仕訳・繰越仕訳)は手動またはテンプレートを用いて作成する必要があります。
📊 Odooにおける決算書(Financial Reports)
✅ 自動的に出力される主なレポート
| レポート名 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 損益計算書 (Profit and Loss) | 一定期間の収益・費用を集計して利益を算出 | 会計→レポート→損益計算書 |
| 貸借対照表 (Balance Sheet) | 期末時点の資産・負債・資本の状況を表示 | 会計→レポート→貸借対照表 |
| キャッシュフロー計算書(必要に応じてカスタマイズ) | 入出金ベースの資金の流れ | 必要に応じて自作することも可能 |
🔄 期末処理:繰越仕訳 (Opening/Closing Journal Entries)
決算期の終了後に以下のような仕訳を登録する必要があります:
1. 利益剰余金への振替(損益勘定のクリア)
- 当期純利益を「繰越利益剰余金」などの資本科目へ振替します。
- 通常の
その他処理(MISC)仕訳帳で記録。
2. 翌期への繰越
- 期首に残高を繰り越す仕訳(Opening Entry) を作成します。
- Odooでは通常、以下の手順です:
🔧 繰越仕訳の方法
- 期首の開始日に新しい仕訳帳エントリを作成
- 仕訳帳:
Opening Balance(例:MISC1) - 勘定科目:各資産・負債・資本科目
- 借方/貸方:前期末残高に基づく
- 仕訳帳:
- ドラフトとして保存→確認
⚙️ 設定項目の有無
| 項目 | 設定の要否 | 補足 |
|---|---|---|
| 決算書の出力 | ❌ 不要 | デフォルトで表示可能 |
| 繰越仕訳(Opening Balance) | ✅ 必要 | 手動で作成(またはCSVなどでインポート) |
| 勘定科目のグループ | ✅ 推奨 | レポート構成を整えるために使われます(PL/BS区分など) |
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