Odoo 銀行設定

Odooの「Post Bank Transactions and Payments In」にある設定項目(bank suspense, outstanding receipts, outstanding payments, internal transfer)は、銀行取引に関連する一時的な勘定科目を指定するものです。これにより、未確定な入出金や内部振替がどの勘定に仕訳されるかをコントロールできます。


🔍 各項目の意味と用途

項目日本語の意味用途仕訳の例
Bank Suspense銀行仮勘定銀行明細が届いているが、どの請求や取引と対応するかまだ未確定なときに使用未処理の入出金の一時的な着地点
Outstanding Receipts未消込の入金顧客からの入金があり、まだ請求書と消込されていない場合に使う売掛金との突合前のステージ
Outstanding Payments未消込の支払仕入先への支払が発生したが、まだ請求書と突合されていない場合に使う買掛金との突合前
Internal Transfer内部振替仮勘定銀行口座間の送金など、内部的な資金移動に使用銀行A→銀行Bへの資金移動など

📌 なぜ必要か?

  • 銀行明細が先に届き、その内容がまだ完全には特定できない場合に、適切な勘定科目で一時記録するため。
  • ダブルブッキング(例:重複仕訳)を避けるためにも、明細と実際の請求書や支払の対応関係が明確になるまでの一時勘定が必要。
  • 内部統制上、仮勘定を明示的に分けて処理することが重要(後で残高ゼロになることを前提)。

💡 例:顧客からの入金があったが、請求書と未消込の場合

借方:銀行 ¥100,000
貸方:Outstanding Receipts ¥100,000

✅ Odoo上の使い方

  • 「会計 > 設定 > 銀行と現金」などの中の Post Bank Transactions and Payments in セクションで、これらの仮勘定を設定。
  • Reconciliationが実行されたときに、これらの仮勘定から実際の請求書や支払先に勘定が移動される。

🔚 まとめ

状態仮勘定目的
入出金が未処理Bank Suspense内容未判明の一時保管
◎入金だけ先に処理Outstanding Receipts売掛金と未突合
◎支払だけ先に処理Outstanding Payments買掛金と未突合
内部振替Internal Transfer両口座で振替処理

◎ カスタマイズと思われる

銀行仕訳帳(Bank Journal)」は、銀行口座に関連するすべての入出金取引を管理・記録する仕訳帳です。これはOdooの会計機能において、銀行口座と現金の動きを会計的にトラッキングし、消込(reconciliation)処理の中心にもなります。


🔷 銀行仕訳帳が行うこと

項目内容
銀行口座の取引を記録顧客からの入金、仕入先への支払い、資金移動など
銀行明細との照合(Bank Reconciliation)インポートまたはオンライン同期された明細と、Odoo上の請求書/支払の突合
仮勘定や未消込勘定を使用仕訳帳設定内の「仮勘定」などに基づいて、自動仕訳を生成
専用の採番(支払用)チェックボックスで「専用支払採番」を有効にすると、独自の支払番号で管理できる

🔸 仕訳帳の設定項目の意味(銀行)

フィールド名説明
銀行口座この仕訳帳に対応する実際の銀行口座(例:みずほ銀行、楽天銀行)
仮勘定(Suspense Account)未確認取引や未対応明細を一時的に記録する勘定科目例:123900 銀行仮勘定
収益勘定銀行取引で発生する想定外の収益(利息など)を記録例:425000 受取利息
損失勘定銀行手数料や為替損失などを記録する勘定科目例:630000 銀行手数料
専用支払採番(チェックボックス)銀行仕訳帳で生成される支払伝票に、独自の連番を割り当てたい場合に使用

🔁 実際の流れ(例)

顧客が銀行振込で支払った場合:

  1. 銀行に¥100,000の入金あり → 銀行明細インポートまたは手動入力
  2. 該当する請求書と未消込状態
  3. Reconciliation(消込)で以下の仕訳が作成
借方:銀行(仕訳帳に紐づく勘定) ¥100,000
貸方:売掛金(またはOutstanding Receipts) ¥100,000

✅ まとめ

銀行仕訳帳は、次のような役割を果たします:

  • 銀行との入出金を記録する会計的な出入口
  • 明細と請求書の突合を行う土台
  • 収益・損失・仮勘定といった補助勘定で柔軟な会計処理
  • 支払操作の採番と管理(チェックボックス)

Incoming Payments(入金)・Outgoing Payments(出金)のタブは、受け取った・支払ったお金の詳細な管理と操作のための機能です。以下に、**目的・使い道・手段(manual/sepa など)**についてわかりやすく解説します。


🔷 Incoming Payments(入金タブ)

✅ 主な用途:

  • 顧客からの 請求書の支払い(入金) を管理
  • 銀行振込やオンライン決済などの 実際の入金を登録
  • 入金ステータスや Reconciliation(消込) を確認・処理

🔧 利用シーン:

タイミング内容
請求書の支払い時顧客が支払ったら、このタブで入金状況を確認
銀行明細を照合明細と請求書を突合して入金処理

🔷 Outgoing Payments(出金タブ)

✅ 主な用途:

  • 仕入先への支払い(Vendor Bill) を管理
  • 銀行振込、SEPA送信などの支払を記録
  • 未決済の支払、完了済支払の一覧や処理を実施

🔧 利用シーン:

タイミング内容
購買請求書の支払支払い方法や支払済ステータスをこのタブで追跡
銀行との照合時SEPAやZengin形式などと連動して自動化

🔸 Payment Method の種類について

各入出金には「支払方法(payment method)」という設定があります。以下は主な例です:

支払方法概要利用例
Manual手動入力。銀行明細を見ながら手で登録日本の一般的な銀行振込
SEPA Credit Transfer欧州の統一支払形式。XML形式で銀行に送信できるEU圏の顧客/ベンダー送金処理
Check小切手処理(主に米国)米国の取引
Zengin(カスタマイズ)日本の全銀協ファイルでの銀行送信楽天銀行などへの送信(要アドオン)

✅ これらタブの利点まとめ

タブ役割支払方法(例)主な利点
Incoming Payments顧客からの入金の記録・確認Manual, Online消込処理、未入金管理
Outgoing Paymentsサプライヤーへの支払処理・追跡Manual, SEPA, Zengin銀行送金処理、出金残管理

🔁 Reconciliation との関係

  • 銀行明細を読み込んだ後、この入出金のタブに記録された情報と付き合わせ(Reconciliation
  • 照合が成功すれば、該当する請求書(Invoice or Bill)が「支払済み」へ変わる


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