会社を買収して子会社にした場合など、Dynamicsの環境を親会社に統合する大まかな流れと方法を記載します。
✅ 前提として知っておくべきこと
右上の会社を選択するメニューボタンから切り替わること
- トランザクションデータ
- マスタは会社間でシェア
- Company切り替えによりトランザクションの可視範囲が自動で切り替わる
法人(Company)が切り替わる仕組み
会社ごとに識別されるのは、いくつかのテーブルのフィールドにあるDataAreaIdと呼ばれるフィールドである。下記のテーブルはDataAreaIdを保持している。
テーブル名 | 説明 | 備考 |
CustTable | 顧客マスタ | 顧客そのものは GAB(共通)に登録され、会社ごとに CustTable に登録される |
VendTable | 仕入先マスタ | 会社ごとに異なる支払条件や会計設定がある |
InventTable | 品目(製品)マスタ | 実体は共通だが、会社ごとに設定差異がある場合は、サブテーブルで分かれる |
HcmWorker | 従業員マスタ | 共通登録だが、DirPerson や HcmEmployment で会社ごとの雇用情報を持つ |
BankAccountTable | 銀行口座 | 会社単位の取引口座として運用される |
Ledger | 会計台帳 | 会社固有の勘定体系を持つ |
MainAccount | 勘定科目マスタ | Shared だが、会社ごとに Account structure に割り当てられる |
一方でCompanyIdを持っていそうで持っていないテーブルはこのようなテーブル
テーブル名 | 説明 |
OMOperatingUnit | 組織単位(部門、コストセンターなど) |
DirPartyTable | パーティ(顧客・仕入先などの共通情報) |
UnitOfMeasure | 単位(個、箱、kgなど) |
切り分けのキーになる組織ユニット
各会社と部門は組織階層を持つため、組織ユニットモジュールを使うことは必須。

✅ OrgUnit が連携している主要機能
機能カテゴリ | 説明 | 組織との関係性 |
Financial Dimension(財務ディメンション) | 勘定仕訳に付与する「部門」「営業所」などの分析軸 | 各 OrgUnit(部門・営業所など)は ディメンション値として登録される |
セキュリティ(ロールとアクセス制御) | ユーザーがどの会社・部門のデータにアクセスできるか制御 | OrgUnit によってアクセス範囲を 組織単位で限定可能 |
ワークフロー(承認経路) | 組織構造に基づいた承認ルート設定 | 承認階層を 組織階層ベースで構築可能(例:「部門の上長に承認を回す」) |
セキュリティ(アクセス制御)との関係
- セキュリティロールに 「組織の割り当て」 を設定することで、
- 「このロールを持つ人は部門Aのデータだけ見られる」
- 「部門Bのデータは編集不可」
などが可能になります。
- 組織階層を使って複数部門を束ね、ロールに一括割り当ても可能。
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