ERPユーザー数を削減するための4つのアプローチ

ERPシステムのユーザー数は、ライセンスコストやシステム運用コストに直結します。特に、大規模な組織では、すべてのユーザーにERPライセンスを提供するのは非効率で高コストです。ここでは、ERPユーザー数を削減し、コストを抑えながら効率的に運用するための具体的な方法をご紹介します。

1. Excelを活用してデータ入力を効率化

ERPに直接ログインしてデータを入力するのではなく、Excelを活用してデータを同期する方法があります。多くのERPシステム(特にDynamics 365)は、ExcelアドインやAPIを通じてデータの双方向同期をサポートしています。これにより、現場でのデータ入力をExcelで行い、ERPに同期させることが可能です。

ただし、入力作業とデータ処理がシステム内で密接に結びついているケースでは、この方法の適用が難しい場合もあります。そのため、事前にプロセスの分離と再設計が必要です。

2. ワークフローを別システムで管理

ERP内でワークフローを構築している場合、処理と承認が一体化していることが多く、ERPユーザー数削減の妨げになることがあります。この問題を解決するために、ワークフローを別のシステムで管理することを検討しましょう。

たとえば、Microsoft Power Automateや他のワークフロー管理ツールを利用して、承認フローを外部システムで行うことが可能です。ERP内では、ワークフローを最小限に留め、承認結果をトリガーにして次の処理を進める仕組みを作ることで、ユーザー数を減らせます。

3. ERPユーザーの利用状況を監視して最適化

ERPユーザーの利用状況を監視し、特にライトユーザー(データの閲覧がメインのユーザー)の使い方を見直すことが重要です。ERP内には通常、ユーザーの行動履歴を記録したデータが保存されています。このデータを分析することで、ライトユーザーを特定し、以下の対応が可能です:

  • データ閲覧だけが目的のユーザーに対しては、Power BIなどのBIツールを活用して代替。
  • ERPへのアクセスが不要になるように運用を見直し。

この作業にはユーザー行動の可視化が必要ですが、適切に対応すれば、ライセンス数を大幅に削減できます。

4. レポートや帳票をERPで開発しない

ERPユーザー数削減で最も効果的な方法は、レポートや帳票作成をERPで行わないことです。帳票の作成やデータの分析業務は、別のシステムで行うように運用を見直します。

例えば、AzureやAWSを活用して、ERPのデータを外部に同期し、Power BIなどのツールでレポートや帳票を作成する方法があります。Dynamics 365の場合、Azure Data Lake Gen2に接続することで、ほぼリアルタイムでデータを連携することが可能です。このデータを活用することで、ERPライセンスが不要なユーザーに帳票やデータを提供でき、効率的な運用を実現できます。

この手法を取り入れることで、以下のメリットが得られます:

  • ERPライセンスを持つユーザーを入力担当者に絞り込める。
  • 帳票やデータ分析の業務を独立したシステムで行うことで、柔軟性が向上。
  • 結果として、ERP運用コストを大幅に削減。

まとめ:ERPユーザー数削減の鍵は「外部ツールの活用」

ERPユーザー数を削減するためには、以下のポイントを押さえることが重要です:

  1. データ入力をERP以外のツール(Excelなど)で行う。
  2. ワークフローを別システムで管理して承認プロセスを外部化する。
  3. ユーザー行動を分析し、ライトユーザーを特定して適切に代替ツールを提供する。
  4. 帳票やデータ分析をERP以外のツールで行う。

これらの方法は、初期導入時の手間がかかるように思えるかもしれませんが、長期的には大幅なコスト削減と運用効率の向上につながります。

もしこれらの方法について詳しい支援が必要であれば、弊社にご相談ください。豊富な経験を活かし、最適なプランを提案させていただきます。ERP運用の効率化とコスト削減をぜひご一緒に実現しましょう!


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